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【2026年版】何が違うの?がスッキリわかる|親の介護施設11種類の条件・費用まるごと解説

この記事でお伝えする内容
  • 高齢者施設11種類の入居条件・費用・期間
  • 公的施設5種類と民間施設6種類の違い
  • 2024年廃止施設と新設・介護医療院の最新情報

「老人ホーム」とひとくくりに呼ばれていても、実際の高齢者施設は11種類もあります。それぞれ入居条件・費用・受けられるサービスが大きく違うため、種類を理解せずに選び始めると、どの施設に申し込めるかすら判断できません。

本記事は11種類の施設それぞれを「入居条件・入居一時金・月額費用・期間・医療体制・認知症対応・看取り」までセットで整理する種類の解説記事です。2024年3月末に廃止された介護療養型医療施設の経緯と、後継となった介護医療院の最新情報も合わせて解説します。

目次

高齢者施設は「公的5種+民間6種」の合計11種類

日本の高齢者施設は、運営主体と目的で大きく2系統に分かれます。それぞれ5種類と6種類で、合計11種類です。

  • 公的施設(福祉施設):国・自治体・社会福祉法人などが運営。費用が抑えめで、要介護度や所得などの入居条件が比較的厳しい
  • 民間施設(営利施設):株式会社などが運営。サービスや居室にバリエーションがあり、費用は施設によって幅広い
高齢者施設は11種類・2つの系統に整理できる
公的施設(5種類)
費用を抑えやすい・条件あり
  • 特別養護老人ホーム(特養)
  • 介護老人保健施設(老健)
  • 介護医療院
  • 一般型ケアハウス
  • 介護型ケアハウス
民間施設(6種類)
選択肢が多い・費用は幅広い
  • 住宅型有料老人ホーム
  • 介護付き有料老人ホーム
  • サービス付き高齢者向け住宅(一般型サ高住)
  • 介護型サ高住
  • グループホーム
  • 小規模多機能型居宅介護

公的施設は介護保険を使って入居できる施設が中心で、月額8〜15万円台が相場。民間施設は入居一時金が0円〜数千万円、月額10〜30万円台と幅が広く、サービス内容や居室の質も施設ごとに異なります。

一目でわかる11施設の早見表

11施設の特徴を一覧で比較できる早見表です。詳しい解説は後の見出しで施設ごとに整理しますが、まず全体像をつかんでください。

施設名系統入居条件入居一時金月額目安期間
特別養護老人ホーム公的要介護3以上(原則)0円8〜14万円終身
介護老人保健施設公的要介護1以上0円8〜14万円原則3〜6ヶ月
介護医療院公的要介護1以上+医療必要0円9〜17万円長期可
一般型ケアハウス公的60歳以上(自立中心)約30万円6〜十数万円自立中
介護型ケアハウス公的65歳以上要介護1以上数十万〜数百万円6〜20万円終身可
住宅型有料老人ホーム民間自立〜要介護0〜599万円13〜16万円状態次第
介護付き有料老人ホーム民間自立〜要介護0〜540万円22〜24万円終身可
一般型サ高住民間60歳以上(自立中心)敷金〜数十万円10〜20万円状態次第
介護型サ高住民間要介護1以上数十万〜数百万円15〜25万円終身可
グループホーム民間認知症+要支援2/要介護1+10〜100万円7〜18万円中重度まで
小規模多機能型居宅介護民間要支援2/要介護1+0円3〜10万円在宅併用
11施設のポジショニング(月額費用×介護度)
低費用
中費用
高費用
重介護
特養
老健
介護医療院
介護型ケアハウス
介護型サ高住
介護付き有料
軽介護
小規模多機能
グループホーム
住宅型有料
自立
一般型ケアハウス
一般型サ高住
縦軸=介護度 / 横軸=月額費用 / 色=自立(緑)→軽介護(黄)→重介護(赤)

マップ上で候補が複数あって絞り込めない場合は、専門の相談員に親の状況を伝えると、適合する3〜5施設に短時間で絞ってもらえます。複数施設を1から比較する時間を節約したい家庭は、無料相談から始めるのが効率的です。

10問診断で向いている施設タイプを確認

11種類の中からどれが親に向いているか先に目安を知りたい方は、10問の自動診断を使ってみてください。要介護度・予算・期間・医療ニーズなどに答えるだけで、向いている施設タイプが提案されます。各施設の詳細はこの後の見出しで解説します。

公的施設(福祉施設)の5種類を詳しく解説

公的施設は介護保険サービスを使って利用できる施設が中心で、費用負担を抑えながら長期にわたって介護を受けられるのが大きな特徴です。ただし入居条件が厳しく、人気施設は数年単位の待機もあります。

特別養護老人ホーム(特養)

特別養護老人ホームは公的な介護保険施設で、要介護高齢者が長期にわたって介護を受けながら生活する施設です。入居一時金が不要で月額費用も抑えめ、終身利用が可能なため、人気が非常に高く待機者の多さで知られています。

サービス内容は、入浴・排泄・食事の介助、機能訓練、療養上の世話を24時間体制で提供。要介護度に応じたケアプランに沿った日常生活全般のサポートが受けられます。

待機期間の平均は2〜3年。都市部や人気施設では5年以上待つこともあります。入居判定は「申し込み順」ではなく「緊急性」が考慮されるため、要介護度が高く家庭で介護が困難な状況の方ほど優先されます。複数施設に同時申し込みするのが基本です。

項目内容
入居条件原則要介護3以上(特例で要介護1〜2も可)
入居一時金0円
月額費用8〜14万円(所得に応じた軽減制度あり)
期間終身利用可
看取り対応多くの施設で対応
医療体制看護師配置(夜間不在の施設多)
認知症対応対応可(専門ユニット有施設も)
運営主体地方自治体・社会福祉法人

居室は4人部屋などの「従来型多床室」と、10人前後を1ユニットとして個室を配置した「ユニット型個室」の2系統があり、ユニット型個室の方が居住性が高い反面、月額がやや高くなります。人員配置は要介護者3人に対して介護・看護職員1人以上が必要と定められており、夜間も最低限のスタッフが常駐します。

居室タイプの2系統(従来型多床室 vs ユニット型個室)
従来型多床室
ベッド
ベッド
ベッド
ベッド
2〜4人の相部屋
月額が抑えめ・既存施設に多い
VS
ユニット型個室
共有リビング・食堂
個室
個室
個室
個室
個室
個室
10人前後を1ユニット
居住性が高い・月額やや高め
人員配置は要介護者3人に対しスタッフ1人以上(夜間も常駐)
  • 向いている人:要介護3以上で長期入居希望・入居一時金を払いたくない・月額を抑えたい・看取りまで対応してほしい
  • 注意点:待機期間が長い・個室が少なく多床室も残る・医師は非常勤が多く急変時は救急搬送

介護老人保健施設(老健)

介護老人保健施設は、病気やケガで入院した後、自宅で生活するためのリハビリを受ける公的施設です。「在宅復帰」を目的としているため、原則3〜6ヶ月の短期入居が基本。理学療法士・作業療法士・言語聴覚士などのリハビリ専門職と看護師が常駐し、医療体制も手厚いのが特徴です。

項目内容
入居条件要介護1以上
入居一時金0円
月額費用8〜14万円
期間原則3〜6ヶ月(継続入居の例もあり)
看取り対応原則として在宅復帰目的のため対応外
医療体制医師常勤・看護師24時間配置
認知症対応対応可
運営主体医療法人・社会福祉法人

サービス内容は、リハビリ専門職による機能訓練、医療管理、看護、介護、栄養管理、健康管理など。在宅復帰を目指す前提で、リハビリ計画に基づいた回復支援が中心です。

3ヶ月ごとに在宅復帰の可否が判定され、復帰可能と判断されると退居となります。実際には継続的に入居できる施設もあり、特養への入居待ち期間中に老健を活用するケースも増えています。

居室は従来型多床室とユニット型個室の両方があり、施設によっては個室タイプの希望も可能です。1日の流れは午前にリハビリ、午後にレクリエーションや個別プログラムを組み込む施設が一般的で、生活全体がリハビリの一環として設計されています。人員配置は介護・看護職員が要介護者3人に対して1人以上、加えてリハビリ専門職の常勤配置が必須です。

老健の在宅復帰サイクル(3ヶ月単位)
入院・退院
病院
急性期治療
入居・リハビリ
老健
3ヶ月リハビリ
3ヶ月ごと
復帰判定
復帰可否を判定
復帰可なら
在宅復帰
退所
復帰困難なら継続入居も可能(特養待機の中継ぎ利用が増加)
  • 向いている人:退院後すぐ自宅復帰が難しい・リハビリを集中的に受けたい・特養待機中の中継ぎとして使いたい
  • 注意点:長期入居が前提ではない・3ヶ月ごとの判定がある・看取り対応は基本的に行わない

介護医療院(2018年新設・介護療養型医療施設の後継)

介護医療院は、長期的な医療と介護の両方が必要な要介護高齢者を対象とした施設です。2018年4月の介護保険法改正で新設され、2024年3月末に廃止された介護療養型医療施設の後継として位置付けられています。胃ろう・喀痰吸引・酸素療法といった日常的な医療処置を必要とする高齢者の長期療養先として機能しています。

項目内容
入居条件要介護1以上+医療ケアの必要性
入居一時金0円
月額費用9〜17万円(要介護度・医療必要度で変動)
期間長期可・終身利用も可能
看取り対応対応可
医療体制医師常勤・看護師24時間・医療処置対応
認知症対応対応可(中重度認知症もカバー)
運営主体医療法人・社会福祉法人

サービス内容は、医療管理・看護・介護を一体で提供。胃ろう・喀痰吸引・酸素療法・インシュリン注射といった医療処置に対応でき、慢性疾患を抱える高齢者の日常的な医療管理に特化しています。

2022年12月時点で全国に751施設・約44,689床が稼働。介護療養型医療施設の約4分の3が介護医療院に転換しました。介護保険適用で自己負担は原則1割(所得により2〜3割)。

居室はI型(医療必要度が高い人向けの療養病床に近い設備)とII型(老健に近い生活ベース)の2タイプがあり、入居者の医療必要度に応じて使い分けられます。人員配置は医師が48対1、看護師が6対1、介護職員が5〜6対1で配置され、医療施設に近い手厚さです。1日の流れは医療管理・服薬管理を中心に組み立てられ、リハビリやレクリエーションも組み込まれます。

介護医療院の2タイプ(I型 vs II型)
I型
医療必要度が高い人向け
  • 療養病床に近い設備
  • 胃ろう・吸引などの医療処置
  • 慢性疾患の長期療養
  • 看取り対応
VS
II型
医療必要度がやや軽い人向け
  • 老健に近い生活ベース
  • 医療と介護のバランス重視
  • 機能訓練・レクリエーション
  • 長期療養も可
医師 48対1
看護師 6対1
介護職員 5〜6対1
  • 向いている人:日常的な医療処置が必要・慢性疾患を抱えている・長期療養したい・看取りまで対応してほしい
  • 注意点:施設数が限られる・地域によって選択肢が少ない・医療必要度が低いと適応外

一般型ケアハウス(軽費老人ホームC型)

一般型ケアハウスは、60歳以上で自立した生活ができるが、家族との同居が難しい方向けの公的福祉施設です。食事提供・生活相談・緊急時対応などの基本サービスは含まれますが、介護サービスは外部から利用する形式で、施設内に介護スタッフは常駐しません。

項目内容
入居条件60歳以上(自立〜軽介護)
入居一時金約30万円(保証金)
月額費用6〜十数万円(所得に応じた軽減あり)
期間自立中・要介護度上昇で転居の場合あり
看取り対応原則対応外
医療体制外部医療を利用
認知症対応軽度のみ・進行で転居検討
運営主体地方自治体・社会福祉法人

サービス内容は、食事提供、生活相談、緊急時対応、見守り、健康管理など。介護が必要になった場合は訪問介護やデイサービスといった外部の居宅サービスを利用します。

所得に応じて費用が軽減される制度があり、年金生活者でも利用しやすいのが特徴です。低費用で安心した暮らしを得られる反面、要介護度が上がると施設の対応範囲を超え、転居せざるを得なくなる点には注意が必要です。

居室は基本的にすべて個室で、面積は標準21.6平方メートル以上、トイレ・洗面・ミニキッチンを備えた構造が一般的です。一人暮らしの延長として暮らせる設計のため、家具や家電を持ち込んで生活する方も多くいます。1日のスケジュールは食事と健康管理以外は基本的に自由で、レクリエーションや行事は希望者参加型が中心です。

一般型ケアハウスの居室と生活スタイル
個室の標準装備
居室空間
トイレ
洗面
ミニキッチン
21.6㎡以上の個室
1日のスケジュール
  • 食事(施設提供)
  • 健康管理(見守り)
  • 外出・買い物・趣味は自由
  • レクリエーションは希望者のみ
一人暮らしの延長として暮らせる
  • 向いている人:自立しているが1人暮らしが不安・低予算で安心を確保したい・年金生活で費用を抑えたい
  • 注意点:介護が本格化すると転居が必要・施設数が少ない地域あり・看取り対応は不可が多い

介護型ケアハウス(軽費老人ホーム+特定施設)

介護型ケアハウスは、一般型ケアハウスに「特定施設入居者生活介護」の指定を加えた施設で、施設内に介護スタッフが常駐します。65歳以上で要介護1以上の方が対象で、入浴・排泄・食事の介助といった介護サービスを内部で受けられます。

項目内容
入居条件65歳以上+要介護1以上
入居一時金数十万〜数百万円
月額費用6〜20万円
期間終身利用可・要介護度上昇でも継続可
看取り対応多くの施設で対応
医療体制提携医療機関・看護師配置
認知症対応対応可
運営主体社会福祉法人・地方自治体

サービス内容は、食事提供、生活相談、入浴・排泄・食事の介助、機能訓練、健康管理など。介護付き有料老人ホームに近いサービスを公的施設の費用感で受けられるのが大きな魅力です。

一般型と違い、入居後に要介護度が上がっても退居せず住み続けられるため、長期視点で考える家庭に向いています。ただし全国の施設数は限られており、希望地域で見つからないこともあります。

居室は個室が基本で、トイレ・洗面付きが一般的。人員配置は特定施設の基準に準じ、要介護者3人に対し介護・看護職員1人以上が常駐します。1日の流れは介護付き有料老人ホームに近く、食事・入浴・機能訓練が時間割で組まれ、レクリエーションも定期的に行われます。費用は公的施設として抑えめに保たれているのが大きな魅力です。

一般型→介護型ケアハウスの差分(追加機能)
一般型(共通機能)
  • 個室+食事提供
  • 生活相談・緊急対応
  • 低費用(月額6〜十数万円)
  • 所得軽減制度
+
介護型の追加機能
  • 介護スタッフ常駐
  • 入浴・排泄・食事介助
  • 機能訓練(リハビリ)
  • 看取り対応
  • 要介護度上昇でも継続可
=
介護型ケアハウス
公的施設の費用感で
介護付き有料老人ホームに
近いサービスを受けられる
  • 向いている人:要介護1以上で長期入居を希望・公的施設の費用感を維持しつつ介護サービスを内部で受けたい
  • 注意点:施設数が少ない・希望地域に見つからない場合がある・自立度が高い場合は一般型の方が適

民間施設の6種類を詳しく解説

民間施設は株式会社などが運営し、施設数が多く選択肢が豊富です。サービス内容や居室の質、入居条件もバリエーションが広く、予算と希望に合わせて選べる柔軟さが魅力です。

住宅型有料老人ホーム

住宅型有料老人ホームは、食事・生活支援・見守りなどを提供する民間施設で、介護サービスは外部の居宅サービス(訪問介護やデイサービス等)を必要に応じて利用するスタイルです。施設側が介護を直接提供しないため、自立度が高い方に向いています。

項目内容
入居条件自立〜要介護(施設により幅広い)
入居一時金0〜599万円(中央値16万円)
月額費用13〜16万円(平均13.5万円)
期間状態次第・重度進行で転居の場合あり
看取り対応施設による(対応施設も増加)
医療体制提携医療機関・外部訪問診療
認知症対応軽〜中度・施設による
運営主体株式会社など民間企業

サービス内容は、食事提供、清掃、洗濯、見守り、緊急時対応、生活相談、レクリエーションなど。介護は外部サービスを組み合わせるため、自分のペースで必要なケアだけを選べる自由度があります。

注意点は、要介護度が上がると外部介護サービスの費用が積み上がり、トータルコストが介護付き有料老人ホームを上回るケースがあること。中重度になった段階で介護付きへの転居を検討する家庭も少なくありません。

居室は個室がほとんどで、面積や設備は施設のグレードによって幅広く、ホテル並みの居住性を備えた高級型から実用本位の物件まで存在します。多くの施設は同建物内または隣接でデイサービス・訪問介護事業所を併設し、外部サービスをスムーズに利用できる仕組みを取っています。1日のスケジュールは比較的自由で、レクリエーションや行事は希望者参加型が中心です。

住宅型有料老人ホームの組み合わせ構造
施設が提供
  • 食事提供
  • 清掃・洗濯
  • 見守り・生活相談
  • 緊急時対応
  • レクリエーション
介護サービスは含まれない
+
外部の居宅サービス
  • 訪問介護(ヘルパー)
  • 訪問看護
  • デイサービス
  • 訪問リハビリ
  • 必要なものだけ選択
利用ごとに介護保険適用
必要な介護だけ自分で選べる自由度。要介護度が上がると外部介護費が積み上がるのが注意点
  • 向いている人:自立〜軽介護・施設の自由度を重視したい・必要な介護だけ選びたい
  • 注意点:介護度が上がると費用が膨らむ・看取り対応は施設次第・介護スタッフは常駐しない

介護付き有料老人ホーム

介護付き有料老人ホームは、都道府県から「特定施設入居者生活介護」の指定を受けた民間施設で、24時間体制で介護スタッフが常駐します。入浴・排泄・食事介助から機能訓練、看取りまで施設内で完結するのが大きな特徴です。

項目内容
入居条件自立〜要介護(施設により設定)
入居一時金0〜540万円(中央値60万円)
月額費用22〜24万円(平均22.8万円)
期間終身利用可
看取り対応対応施設多数
医療体制看護師配置・提携医療機関・訪問診療
認知症対応対応可(認知症専用フロア有施設も)
運営主体株式会社など民間企業

サービス内容は、24時間の介護、食事提供、機能訓練、健康管理、レクリエーション、看取りまで施設内で一貫して提供。要介護度に応じた定額制の介護サービス費が月額に含まれており、追加の介護負担が発生しにくい構造です。

費用は高めですが、要介護度が上がっても定額で介護サービスが受けられ、終身対応の施設も多いため「将来の不確実性を1施設で吸収できる」のが選ばれる理由です。施設ごとにサービスの質や雰囲気に大きな差があるため、複数見学が必須です。

居室は完全個室で、面積13平方メートル以上が法定基準。多くの施設は20平方メートル前後の広めの個室を採用し、共有のリビングや食堂、機能訓練室、浴室を備えます。人員配置は特定施設の基準に準拠し、要介護者3人に介護・看護職員1人以上、夜勤もスタッフ常駐が義務付けられます。レクリエーション・行事が豊富で、季節イベントや外出企画を組む施設も多くあります。

介護付き有料老人ホームの24時間カバー
0時
6時
12時
18時
24時
夜勤スタッフ
日中介護スタッフ常駐
介護スタッフが24時間365日常駐(夜勤帯も切れ目なし)
居室
13㎡以上
完全個室・多くは20㎡前後
人員配置
3対1以上
特定施設の法定基準
介護費
定額制
要介護度別月額固定
  • 向いている人:中重度介護が必要・終身利用を希望・予算に余裕がある・看取りまで対応してほしい
  • 注意点:費用が高い・施設ごとに質の差が大きい・必ず複数施設を見学

サービス付き高齢者向け住宅(一般型サ高住)

一般型サ高住は、バリアフリー設計の高齢者向け賃貸住宅で、安否確認と生活相談が標準サービスとして提供されます。賃貸契約のため気軽に入退去できる柔軟性が特徴で、サ高住全体の約9割を占めるのがこの一般型です。

項目内容
入居条件60歳以上(自立中心・要支援〜軽介護)
入居一時金敷金〜数十万円(一時金不要の物件も多数)
月額費用10〜20万円
期間状態次第・要介護度上昇で転居の場合あり
看取り対応原則対応外(一部施設で対応)
医療体制外部医療を利用・提携クリニック有施設も
認知症対応軽度のみ・進行で対応外
運営主体株式会社・医療法人など民間

サービス内容は、安否確認(1日1回以上の見守り)、生活相談(健康・暮らしの相談)が必須サービス。それ以外の食事・入浴介助・洗濯などはオプションで、施設や個人の希望に応じて契約します。

賃貸契約のため初期費用が抑えられ、退去も比較的自由です。介護が必要になった場合は外部の居宅サービスを利用しますが、要介護度が上がると施設の対応範囲を超えるケースがあり、転居前提と考えておくと安心です。

居室は法令で25平方メートル以上(共用設備が充実している場合は18平方メートル以上)と定められ、トイレ・洗面・キッチン・浴室を備えた完全個室タイプが中心です。建物全体がバリアフリー設計で、廊下幅・段差解消・手すり設置などが標準装備。人員配置は日中ケアの専門員(介護福祉士などの有資格者)1名以上の常駐が必須です。

一般型サ高住の必須サービス2つ + オプション
必須サービス①
安否確認
1日1回以上の見守り
センサー or 訪問
必須サービス②
生活相談
健康・暮らしの相談
専門員が日中対応
+
オプションサービス(個別契約)
食事提供
入浴介助
洗濯
外部介護サービス
居室 25㎡以上(共用設備充実なら18㎡以上)
バリアフリー設計
賃貸契約・退去自由
  • 向いている人:自立〜軽介護・賃貸感覚で住みたい・気軽に入りたい・将来は別施設への転居も視野
  • 注意点:中重度介護や認知症進行で転居が必要・看取り対応は基本不可

介護型サ高住(特定施設指定のサ高住)

介護型サ高住は、サ高住の中で「特定施設入居者生活介護」の指定を受けた施設で、サ高住全体の約1割が該当します。一般型と違い、施設内のスタッフが介護サービスを提供し、要介護度に応じた定額の介護サービス費を支払う仕組みです。

項目内容
入居条件要介護1以上(60歳以上)
入居一時金数十万〜数百万円
月額費用15〜25万円
期間終身利用可
看取り対応対応施設多数
医療体制看護師配置・提携医療機関
認知症対応対応可
運営主体株式会社・医療法人など民間

サービス内容は、24時間の介護、食事提供、生活支援、看取りまで施設内で対応。介護付き有料老人ホームに近いサービスを賃貸契約で受けられるのが特徴で、要介護度が上がっても住み続けられるのが大きなメリットです。

サ高住全体の約1割と少数派のため、希望地域で見つかるかは事前確認が必要。ただし「特定施設」指定を受けた介護型サ高住は、入居者全員が要介護認定を受けている前提のため、介護スタッフの常駐や設備が手厚い傾向にあります。

居室は個室が基本で、面積はサ高住基準に準じます。人員配置は特定施設の基準に準じ、要介護者3人に対し介護・看護職員1人以上が常駐し、24時間スタッフが対応します。1日のスケジュールは食事・入浴・機能訓練が時間割で組まれ、レクリエーションも組み込まれます。賃貸契約の自由度と介護付き有料老人ホーム並みのサービスを両立した、ハイブリッド型の選択肢です。

一般型→介護型サ高住の差分(特定施設指定で何が変わるか)
一般型サ高住
サ高住の約9割
  • 安否確認+生活相談
  • 賃貸契約
  • 介護は外部サービス
  • 自立〜軽介護向け
+
特定施設の指定
追加される機能
  • 施設内の介護スタッフ常駐
  • 定額制の介護サービス
  • 24時間対応
  • 看取り対応
=
介護型サ高住
サ高住の約1割
賃貸契約の自由度+
介護付き並みサービスの
ハイブリッド型
  • 向いている人:要介護1以上・賃貸契約の柔軟性も重視・終身利用希望・サ高住の住みやすさで介護も受けたい
  • 注意点:全体の1割と数が少ない・希望地域で見つからないことがある

グループホーム(認知症対応型共同生活介護)

グループホームは、認知症の診断を受けた方が、5〜9人の少人数で家庭的な環境で共同生活を送る地域密着型施設です。認知症ケアの専門スタッフが常駐し、料理や掃除など日常の家事に参加しながら、認知症の進行を緩やかにする生活リハビリを行います。

項目内容
入居条件認知症の診断+要支援2または要介護1以上+同一市区町村に住民票
入居一時金10〜100万円
月額費用7〜18万円(介護保険で介護サービス費は月額自己負担2.5万円程度)
期間中重度認知症まで対応・重度進行で転居の場合あり
看取り対応施設による(対応施設増加中)
医療体制提携医療機関・訪問診療
認知症対応専門ケア(主軸サービス)
運営主体株式会社・医療法人・社会福祉法人

サービス内容は、認知症ケアを中心とした生活支援、入浴・排泄・食事の介助、機能訓練、レクリエーションなど。料理や掃除を入居者と一緒に行うことで、認知機能の維持を図るのが特徴です。

地域密着型サービスのため、入居するには「同一市区町村に住民票がある」ことが条件。別の地域から入りたい場合は、住民票を移すところから始まります。重度進行で医療ニーズが高まると、転居を検討するフェーズが訪れます。

居室はすべて個室で、共有のリビング・キッチン・浴室を中心に1ユニット5〜9人で生活。1事業所につき最大2ユニットまで設置できます。人員配置は入居者3人に対して介護職員1人以上、夜間も1ユニットにつき1人以上が常駐。1日の流れは入居者と一緒に食事の準備や洗濯を行うなど、日常の家事を「生活リハビリ」として位置付けるのが特徴です。

グループホームの構成(1ユニット)
5〜9
人で共同生活
共有リビング
共有キッチン
共有浴室
+
認知症ケア専門
スタッフ常駐
入居者3人に1人以上
夜間も1ユニット1人
家事(料理・洗濯)を入居者と一緒に行う「生活リハビリ」が中核
  • 向いている人:認知症の診断あり・住み慣れた地域で生活継続したい・少人数の家庭的な環境を希望
  • 注意点:認知症の診断が必須・住民票を同じ市区町村に移す必要・重度進行で転居になる場合あり

小規模多機能型居宅介護

小規模多機能型居宅介護は、「通い」「訪問」「泊まり」の3つのサービスを1つの事業所で柔軟に組み合わせる地域密着型サービスです。生活のベースは自宅に置きつつ、必要に応じて施設に通う・訪問してもらう・泊まる、という運用ができます。

項目内容
入居条件要支援2または要介護1以上+同一市区町村に住民票
入居一時金0円
月額費用3〜10万円(介護保険適用で要介護度に応じた定額)
期間在宅併用・状態によって判定
看取り対応看護小規模多機能型の場合は対応可
医療体制看護小規模多機能の場合は看護師配置
認知症対応対応可
運営主体株式会社・社会福祉法人など

サービス内容は、デイサービス的な「通い」、ヘルパー的な「訪問」、ショートステイ的な「泊まり」を1つの事業所で月額定額で利用できる仕組み。1事業所と契約すると他の介護サービス(訪問介護・デイサービス)は併用できないため、生活全体をその事業所で完結させる前提です。

小規模多機能型居宅介護の3サービス
通い
日中の活動
(デイサービス的)
訪問
スタッフが自宅へ
(ヘルパー的)
泊まり
短期の宿泊
(ショートステイ的)
同じ事業所のスタッフが担当
月額定額・なじみのスタッフが顔の見える関係で支援

「在宅介護を続けたいが、家族の負担も軽減したい」家庭に向きます。月額3〜10万円の定額で要介護度に応じたサービスを使い放題に近い形で受けられるため、コスト面でもメリットが大きい選択肢です。

1事業所の登録定員は29人以下と小規模で、通いの定員は15〜18人、宿泊の定員は5〜9人。利用者数に対して必要な人員配置基準が細かく定められており、なじみのスタッフが顔の見える関係で支援するのが特徴です。看護師を配置した「看護小規模多機能型居宅介護(看多機)」というバリエーションもあり、医療ニーズの高い在宅高齢者に対応できます。

  • 向いている人:在宅継続したい・家族の介護負担も軽減したい・月額を抑えつつ柔軟にサービスを使いたい
  • 注意点:1事業所と契約すると他の介護サービス併用不可・住民票が同一市区町村に必要

公的施設と民間施設の制度上の違い

11種類の施設は、運営主体だけでなく根拠法令や費用構造が大きく異なります。同じ「老人ホーム」でも、制度上の位置付けによって入居条件や料金の決まり方が変わるため、選ぶ前に基本的な制度の違いを押さえておくと混乱しません。

根拠法令の違い

公的施設のうち、特養・ケアハウス(軽費老人ホーム)は老人福祉法を根拠とする「福祉施設」です。介護を必要とする高齢者の生活を支える社会福祉的位置付けで、運営は地方自治体や社会福祉法人が中心になります。

老健・介護医療院は介護保険法に基づく「介護保険施設」で、介護保険サービスとして利用する公的施設です。一方、有料老人ホーム・サ高住・グループホーム・小規模多機能などは介護保険法・高齢者住まい法・老人福祉法などの組み合わせで運営される民間サービスで、株式会社や医療法人などが事業者として手がけています。

介護報酬の仕組み

介護保険施設(特養・老健・介護医療院)と特定施設(介護付き有料・介護型サ高住・介護型ケアハウス)では、要介護度に応じた定額の介護サービス費が月額に含まれます。介護サービスをいくら使っても定額で済むため、家族の費用予測がしやすいのが特徴です。

住宅型有料・一般型サ高住・一般型ケアハウスは「居住の場+外部介護」のスタイルで、訪問介護やデイサービスを利用したぶんだけ介護費用が積み上がる従量制です。要介護度が上がると外部介護費が増えるため、長期的な費用予測には注意が必要です。

監督主体の違い(都道府県と市区町村)

多くの施設は都道府県が指定・監督しますが、グループホームと小規模多機能型居宅介護は市区町村が指定する「地域密着型サービス」です。地域密着型は同一市区町村に住民票がある方だけが利用でき、外部の市区町村から入りたい場合は住民票の移動が前提となります。

地域密着型は施設規模も小さめで、運営者が地域に根ざしているケースが多いのが特徴です。住み慣れた地域で生活継続を重視する制度設計のため、家族の関与もしやすい仕組みになっています。

入居一時金と前払金の法的扱い

有料老人ホームの入居一時金(前払金)は、家賃や介護サービスを前もって支払う扱いで、初期償却分と償却期間が契約で定められます。短期で退去した場合の返還ルールが施設ごとに異なり、契約前の重要事項説明書で必ず確認すべきポイントです。

入居一時金の償却の仕組み(時間軸)
入居時
償却期間中
償却完了
初期償却 10〜30%
残額を均等償却
残高0
短期退去で返還される額 = 一時金 – 初期償却 – 経過分の均等償却
有料老人ホーム
前払金として家賃・介護費を一括前払い。契約で償却ルールを定める
サ高住・賃貸タイプ
敷金として徴収、退去時の原状回復費を除き返還(一般的な賃貸借契約)

サ高住や賃貸タイプ施設では「敷金」として徴収されることが多く、退去時の原状回復費を除いて返還される一般的な賃貸借契約に近い扱いです。同じ「初期費用」でも返還ルールがまったく違うため、施設タイプの選択は支払い面での安心感にも直結します。

制度や費用の仕組みが複雑で混乱しがちな部分は、相談員にざっくり全体像を聞くのが理解の近道です。家族で何時間も調べる前に、不明点を一度まとめて相談する選択肢があります。

介護保険サービスの3分類(施設・居宅・地域密着)

介護保険サービスは制度上、大きく3つに分類されます。施設の種類を正確に理解するうえで重要な区分なので、本記事で扱う11施設がどの分類に属するかを整理します。

介護保険サービスの3分類
施設サービス
介護保険3施設(公的)
  • 特別養護老人ホーム
  • 介護老人保健施設
  • 介護医療院
公的・定額制で介護を受ける
居宅サービス
自宅・住居型施設で利用
  • 住宅型有料老人ホーム
  • 一般型サ高住
  • 一般型ケアハウス
  • + 訪問介護・デイサービス
外部介護を組み合わせる
地域密着型サービス
市区町村が指定・監督
  • グループホーム
  • 小規模多機能型居宅介護
  • 看護小規模多機能型
同一市区町村住民が対象

施設サービス(介護保険3施設)

介護保険法に基づく公的な施設で、特別養護老人ホーム・介護老人保健施設・介護医療院の3種類が該当します。「介護保険3施設」と総称され、入居者は介護保険適用の定額制で介護サービスを受けられます。要介護認定が必須で、原則として要介護1以上が条件。介護療養型医療施設はかつてこの分類に含まれていましたが、2024年3月末で廃止されました。

施設サービスは入居一時金がかからず、月額費用も介護保険の自己負担分(1〜3割)+居住費・食費という構造です。入居者全体の生活が「施設での介護」を中心に組み立てられているのが特徴です。

居宅サービス(自宅または住居型施設での利用)

自宅や住居型の高齢者向け住まいで利用する介護サービスを「居宅サービス」と呼びます。訪問介護(ホームヘルパー)・訪問看護・デイサービス(通所介護)・ショートステイ(短期入所)などが代表例で、要介護度に応じた利用限度額(月額)の範囲で組み合わせて使います。

住宅型有料老人ホーム・一般型サ高住・一般型ケアハウスは、自分で居宅サービスを契約して利用するスタイル。介護付き有料老人ホーム・介護型サ高住・介護型ケアハウスは「特定施設入居者生活介護」の指定で、施設内のスタッフが居宅サービスに準じる介護を定額で提供します。

地域密着型サービス(市区町村が指定)

地域密着型サービスは、市区町村が指定・監督する介護保険サービスで、原則として同一市区町村に住民票がある方しか利用できません。グループホーム(認知症対応型共同生活介護)・小規模多機能型居宅介護・看護小規模多機能型居宅介護・地域密着型特定施設入居者生活介護などが該当します。

「住み慣れた地域で生活継続を支える」趣旨で2006年に設けられた制度で、施設規模も小さめ(定員29人以下)。事業者と利用者の関係が顔の見える距離感で築けるのが特徴です。地域密着型は別の市区町村から利用できないため、入居前に住民票の確認・移動が必要になります。

2024年3月末で廃止された介護療養型医療施設

古い情報源には「介護療養型医療施設」という選択肢が掲載されていますが、この施設は2024年3月末で完全に廃止されました。代替先として2018年4月から新設されたのが介護医療院で、本記事の公的施設セクションでも解説した通りです。

廃止に至った経緯

厚生労働省の2006年実態調査で、介護療養型医療施設と医療療養型病院の利用者状況に大きな差がないことが判明し、施設区分の整理が必要と判断されました。介護療養型医療施設での療養生活が長期に及び、約4割が死亡による退院だったという実態もあり、医療費抑制の観点からも見直しが進められた経緯があります。

2018年に介護医療院が新設されて以降、6年間の経過措置を経て、2024年3月末で介護療養型医療施設は完全に役割を終えました。

介護医療院への転換状況

2022年12月時点で全国に介護医療院は751施設・約44,689床が稼働しており、介護療養型医療施設の約4分の3が介護医療院に転換しました。残りの施設は医療療養病床への転換や廃院など、別の道を選んでいます。

これから施設を探す家族にとって重要なのは、「介護療養型医療施設」というキーワードで検索しても、実態は介護医療院や別カテゴリの施設に置き換わっているという点です。情報源が古い場合は施設区分の最新情報を必ず確認してください。

介護療養型医療施設と介護医療院の違い

介護療養型医療施設(旧)と介護医療院(現行)の最大の違いは、「医療提供」と「生活の場」のバランスです。介護療養型医療施設は医療色が強く、病院に近い構造で介護を提供する施設でした。一方、介護医療院は医療と介護に加えて「生活の場」としての役割を強化し、居住スペースの環境を改善した設計になっています。

具体的には、介護医療院では1人当たりの療養室面積が拡大され、ユニット型(個室+共有リビング)の選択肢も増えました。長期療養を前提に「最期まで暮らせる場所」として再設計された点が、新制度のもっとも大きな変更点です。

廃止までのスケジュールと経過措置

廃止は段階的に進められ、2018年4月に介護医療院の制度が新設されてから2024年3月末までの6年間が経過措置期間でした。その間に介護療養型医療施設は順次転換または閉鎖を進め、入居者の受け入れ先確保が図られました。

転換できなかった施設の入居者は、介護医療院・特養・老健などへの移行案内が行われ、行政と施設が連携して新しい入居先を調整しました。「廃止で行き場がなくなる」というケースを最小限に抑える設計で、介護保険制度の大きな再編としては比較的スムーズに完了した部類に入ります。

「介護療養型医療施設に親が入っていたが転居先が不明」「介護医療院の空き状況を地域別に確認したい」といった具体的な相談は、専門の相談員にまとめて聞くのが早道です。複数の代替候補から条件に合う施設を提案してもらえます。

よくある質問

介護保険は使える?

公的施設(特養・老健・介護医療院・介護型ケアハウス)は介護保険サービスが定額で含まれており、自己負担は所得に応じて1〜3割。月額費用の中に介護サービス費が組み込まれている形です。

民間施設のうち、介護付き有料老人ホーム・介護型サ高住・グループホーム・小規模多機能は「特定施設入居者生活介護」または地域密着型サービスの指定を受けており、介護保険適用で定額制です。住宅型有料・一般型サ高住は外部の居宅サービスを使う形になり、訪問介護やデイサービスを利用するごとに介護保険が適用されます。

「特定施設入居者生活介護」って何?

都道府県から指定を受けた施設が、施設内で介護サービスを定額で提供できる仕組みのことです。介護付き有料老人ホーム・介護型サ高住・介護型ケアハウスがこの指定を受けており、要介護度に応じた定額の介護サービス費を月額で支払うため、サービスを多く使っても料金が変わらないのが特徴です。

住宅型有料老人ホーム・一般型サ高住は特定施設の指定を受けていないため、介護サービスは外部の居宅サービスを利用します。同じ「有料老人ホーム」「サ高住」という名称でも、特定施設指定の有無で費用構造が大きく変わります。

「地域密着型」って何が違う?

地域密着型サービスは、市区町村が指定・監督する介護保険サービスで、入居や利用には「同一市区町村に住民票がある」ことが条件になります。グループホームと小規模多機能型居宅介護がこのカテゴリに該当します。

住み慣れた地域での生活を支える趣旨があるため、別の市区町村から入りたい場合は住民票を移す必要があります。地域密着型は施設規模も小さく、運営者が地域に根ざしているケースが多いのが特徴です。

「軽費老人ホーム」と「ケアハウス」は違うもの?

軽費老人ホームには3種類(A型・B型・C型)があり、ケアハウスはそのうちのC型に当たります。A型は食事提供あり、B型は食事提供なしの自炊型、C型(ケアハウス)は食事提供と生活支援を備えた最も多い形態です。

現在新設される軽費老人ホームはほぼすべてC型(ケアハウス)で、A型・B型は新規受け入れを停止している施設も多いため、実質的に「軽費老人ホーム=ケアハウス」と理解して問題ありません。さらにケアハウス自体が「一般型」と「介護型」に分かれる構造です。

「特定施設」と「地域密着型特定施設」は違う?

名前が似ていますが、規模と監督主体が違います。「特定施設入居者生活介護」は定員30人以上の施設で、都道府県が指定。「地域密着型特定施設入居者生活介護」は定員29人以下の小規模施設で、市区町村が指定します。

サービス内容は基本的に同じですが、地域密着型は同一市区町村住民が対象。入居を検討する際は「自分の住む市区町村か、入居予定の市区町村か」で選ぶ必要があります。

健康型有料老人ホームとは?

有料老人ホームには「健康型」「住宅型」「介護付き」の3種類があるとされていますが、健康型は数が極めて少なく、本記事では実用的な選択肢から外しています。健康型は完全自立の方向けで、要介護状態になると退去が必要なため、現在は住宅型有料老人ホームに統合される形で減少傾向です。

厚生労働省の資料でも健康型は1〜2%程度の比率で、選択肢として現実的に検討されるのは住宅型と介護付きの2種類です。

「シニア向け分譲マンション」は高齢者施設に含まれる?

シニア向け分譲マンションは、高齢者の暮らしやすさに配慮した分譲マンションで、所有権を購入する形態です。バリアフリー設計や生活サービス(コンシェルジュ・食事サービスなど)が標準的に提供されますが、介護サービスは含まれません。

本記事の11種類には含まれない理由は、「介護を前提とした施設」ではなく「高齢者向けの住宅商品」だからです。要介護状態になった場合は外部の居宅サービス利用または転居が前提となり、選び方の軸が一般的な住宅と同じになります。完全自立で資産があり、住まい中心の暮らしを求める方の選択肢です。

「養護老人ホーム」と「特別養護老人ホーム」は別物?

名前は似ていますが、対象者と入居経路が違います。養護老人ホームは経済的・環境的に自宅で生活困難な高齢者を市区町村の措置で入所させる施設で、介護を必要としない自立高齢者が対象。本人の希望ではなく行政判断で入所が決まる「措置施設」です。

一方、特別養護老人ホームは介護が必要な要介護3以上の方が対象で、契約に基づいて利用する「契約施設」です。介護内容も大きく異なるため、養護老人ホームは本記事の11種類とは別カテゴリの施設として整理されます。

「ユニット型」と「従来型多床室」って何が違う?

特別養護老人ホームや介護医療院などの公的施設で使われる居室タイプの違いです。従来型多床室は2〜4人の相部屋形式で、廊下を挟んだ両側に居室が並ぶ昔ながらの設計。ユニット型個室は10人前後を1ユニットとして個室を配置し、ユニットごとに共有のリビングや食堂を備えた家庭的な構造です。

ユニット型は居住性が高い反面、施設整備費用が反映され月額がやや高くなります。新設の特養はほぼすべてユニット型ですが、既存施設では従来型多床室も多く残っており、月額負担を抑えたい場合は多床室の選択肢も検討できます。

FAQで答えが見つからなかった個別の疑問や、「親の状況をふまえてもう少し具体的に聞きたい」というケースは、無料の入居相談で1対1で確認できます。電話・WEB・面談から選べるため、家族の状況に合わせた相談スタイルで利用できます。

まとめ:11種類を理解すれば施設探しの第一歩は完了

11種類の高齢者施設は、運営主体・入居条件・費用・期間が大きく異なります。本記事では公的5種類と民間6種類について、それぞれの入居条件・入居一時金・月額費用・期間・医療体制・認知症対応・看取りまでをセットで解説しました。施設の種類とその制度的な位置付けを理解することは、選び始める前提となる重要な第一歩です。

11種類を1から自分で比較して候補を絞るのは時間がかかります。専門の相談員に希望条件を伝えて絞り込んでもらえば、見学する施設を効率的に決められます。施設探しは情報の整理が成否を分けるため、信頼できる窓口を1つ確保しておくと家族の判断もブレにくくなります。

シニアのあんしん相談室

施設の種類を理解した次のステップは選び方です。【2026年最新】老人ホームの選び方 完全ガイド|失敗しない10のチェックポイントで3ステップと10のチェックポイントを整理しています。

施設の種類を理解した次に進むべき具体的な手順は、【2026年最新】老人ホーム探しから入居までの完全な進め方|10ステップで失敗しないで4段階・10ステップに整理して解説しています。

施設の種類別に契約条件が変わるため、【2026年最新】高齢者施設の契約までに確認すべき完全ガイド|10項目チェックリストでトラブル予防で3つの書類×10項目チェックリストにまとめています。

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