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入居前に確認しておこう高齢者施設の契約形態|利用権方式 と賃貸借方式

この記事でお伝えする内容
  • 高齢者施設の契約形態
  • 介護付き有料老人ホームは利用権方式を採用
  • サービス付き高齢者向け住宅は賃貸借方式
目次

高齢者施設の契約形態

介護施設には、以下のように利用権方式と賃貸借方式という2種類があり、それぞれ異なる特徴を持っています

賃貸借方式はさらに『建物賃貸借方式』と『終身建物賃貸方式』の二つに分類されますが、単に賃貸借方式といった時はほとんどの場合が前者の『建物賃貸借方式』を指します。

有料老人ホームでは「利用権方式」と呼ばれる権利形態を採用しているところが大半です。

いずれの権利形態であっても、内容をきちんと把握して入居契約を締結しないと後々のトラブルの原因になりかねません。

今回は高齢者施設の契約に採用されている利用権方式と賃貸借方式の違いや特徴を紹介します。

老人ホームを利用する権利を買う「利用権方式」

 利用権方式とは老人ホームを利用する権利を購入するという契約方法の事で、この契約を施設と利用者が結ぶ事で介護が受けられます。利用権を購入することで、居室・共有スペース等の利用や、介護サービスの終身利用が可能になります。

ただし本人が死亡後、親族がその権利を相続することはできません。入居中に本人の身体状況の変化(要介護度が上がるなど)があった場合、退去しなければならないこともあります。

利用権の支払い方法は3種類

利用権の支払い方法
  • 前払い方式
    • 入居一時金として一括で支払う
  • 一部前払い方式
    • 一部を入居一時金として払い、残りを月々の使用料と併せて支払う
  • 月払い方式
    • 分割して月々の使用料と併せて支払う。

長く利用するほどお得な「前払い方式」

利用権方式では、「入居一時金」を支払う事でサービスが受けられます

入居一時金とは、入居する事を決めたら施設に払う費用の事で、0円から数千万円まで金額は施設によってさまざまです。中には数億円掛かる高級老人ホームも存在します。年齢や収入によって金額が異なるところもあるので、重要事項説明書で確認しておきましょう。

入居一時金は償却期間が定められています。 償却期間内に何らかの理由で退去する事になった場合は、未償却分のお金が返還される仕組みになっています。あくまでも利用権(所有権ではない)ですので、死亡することによって相続の対象となるような財産にはなりません。

入居一時金はクーリングオフ制度が設けられているため、入居後90日以内に退去した場合にはサービスを受けた分の料金を除いた金額が返還されます。

前払い方式は想定されている入居期間を超えた場合、追加で利用料がかかることはありません。

そのため、長生きする人ほどお得に介護サービスを利用できます。

(例)20年住んでも25年住んでも支払う金額は同じ

月々の支払いが高くなる一部前払い方式

家賃の一部を入居前に支払い、残りは月々の使用料を合わせて支払う方法です。全額を一括で払うよりも月の支払い額は多くなってしまいますが、最初に支払う金額は減ります。

「前払い方式」と同様に、返還金制度があるので償却期間が終わる前に退去すると入居一時金として支払った金額のうち未償却分が返金されます。

長く利用するほど割高になる「月払い方式

月払い方式は、入居時にまとまった費用を支払わず、入居一時金に相当する金額を月額利用料に上乗せして定額で支払う方法です。一定期間入居すると「前払い方式」より割高になるよう設定されています。

つまり、入居する年数が長ければ長くなるほど割高になってしまうのです。月払い方式のメリットには「入居中の老人ホームの利用料が下がったら支払額も下がる」といった点が挙げられます。

それに対してデメリットには「入居中の老人ホームの利用料が上がってしまう可能性があるため、経済的な見通しを立てにくい」といった点が挙げられるでしょう。

前払い方式月払い方式どちらを選ぶべきか

長期的に住み続けたいと思っている方前払い方式がおすすめ
短期で退去する可能性がある方月払い方式がおすすめ

初期費用はかかりますが、長期的に住み続けたいと思っている方は、前払い方式方式がおすすめです。

月払い方式と比較したときに入居時のハードルは高くなりますが、月額費用は償却期間後も上がることなく安いままなので、トータルで考えたときに月払い方式よりも安くなる場合があります。

一方で、短期間で退去となった場合は、トータルで考えたときに月払い方式の方が安い可能性もありますので、入居時の年齢や体調をふまえ支払い方式を選ぶようにしましょう

入居一時金は必ず支払うのか?

 入居一時金は、基本的に月々に払う生活費や居住費などに充てられるので、入居一時金を払う事で毎月の負担を減らす事ができます。最初にまとまったお金を用意する事が難しい場合には、入居一時金が必要のない施設と契約する事をオススメします。

月々の費用は増えてしまいますが、最初の負担額が少ないので貯金が少ない方でも入居が出来ます。

利用権方式のポイント
  • 老人ホームの契約方法の一つ
  • 初めに施設の『利用権』を購入し、月々『使用料』を支払う
  • 『利用権』は家賃の前払い

アパートの契約と同じ「賃貸借方式」

賃貸借方式はさらに『建物賃貸借方式』と『終身建物賃貸方式』の二つに分類されます。単に賃貸借方式といった時はほとんどの場合が前者の『建物賃貸借方式』を指します。

建物賃貸借方式

通常の住宅賃貸物件と同じような契約を、施設と交わす方式です。基本的に敷金を支払い、毎月家賃を支払います。

介護保険サービスを別途支払う必要があるため、入居者の状況によっては月額の総支払金額が高くなってしまうこともあります。

入居住する権利は借地借家法で保護されていますので、経営者が変わっても住み続けることができます。入居者が亡くなった場合、居住の権利は相続の対象となります。

終身建物賃貸方式

高齢者の居住の安定確保に関する法律」に基づき、高齢者が死亡するまで終身にわたり居住することができ、死亡時に契約が終了する相続のない「一代限り」の契約です

一部の施設では配偶者にのみ入居者の死後も住むことができるようになっています。終身建物賃貸方式も基本的に建物賃貸方式と同じで、入居時に敷金を支払い毎月家賃を支払います。

利用できる年齢は60歳以上です。ただし、夫婦入居であれば配偶者が60歳未満でも一緒に入居は可能です。終身建物賃貸方式を採用している施設は数が少ないのが現状です。

利用権方式67.8%
建物賃貸借方式27.4%
終身建物賃貸借方式0.9%
有料老人ホームの居住の権利形態別割合

介護付き有料老人ホームは利用権方式を採用

介護付き有料老人ホームは、常駐する介護スタッフから24時間365日体制でケアが受けられる介護施設です。有料老人ホームのなかでも、介護保険の「特定施設入居者生活介護」の指定を受けた施設です。

指定を受けるうえで一定の基準はあるものの、民間会社が運営する施設のためホームによってサービスの充実度や費用に差があるのが実状です。

特定施設入居者生活介護とは、特定施設に入居している要介護者を対象として行われる、日常生活上の世話、機能訓練、療養上の世話のことであり、介護保険の対象となります


特定施設の対象となる施設は以下のとおり。

  • 介護付き有料老人ホーム
  • 介護付きサ高住
  • 軽費老人ホーム(ケアハウス)
  • 養護老人ホーム

介護付き有料老人ホームで生活する最大のメリットは、日中・夜間を問わず介護を受けられることです。介護費用は月額制ですので、何回使っても費用が膨れ上がるといった心配もありません。

日中は看護師の常駐義務もあり、健康管理も受けられます。また、高齢者の心身の健康に配慮したレクリエーションやイベントが開催されることも特徴です。入居者同士や地域住民との交流などもあり、一人暮らしよりも生き生きと過ごせるように工夫されています。

介護付き有料老人ホームに入居するうえで、ネックになりがちなのが費用です。「民間施設であること」「要介護度に応じた介護サービス費が必ずかかること」などから、比較的高額になるケースがあります。

介護付き有料老人ホームでは、基本的に施設のスタッフから直接介護を受けます。外部サービスは利用できませんので「これまで在宅で利用してきたサービスを継続したい」という方にはデメリットとなるでしょう。

サービス付き高齢者向け住宅は賃貸借方式

サービス付き高齢者向け住宅は、一般的な賃貸マンションと同じような設備で生活しながら、専門のスタッフによる「生活相談」や「安否確認」などのサービスを受けられる住まいを指します。外部の訪問介護サービスなどを利用して介護を受けながら生活することも可能で、老人ホームと比べると生活の自由度が高いことが特徴です。 

賃貸借契約を結ぶ一般的なアパートやマンションの場合、60歳以上になると年齢を理由に入居を断られるケースも出てきますが、サービス付き高齢者向け住宅ではそうした心配がないメリットもあります。 サービス付き高齢者向け住宅では、安否確認と生活相談の2つが基本サービスとなっています。

定期的にスタッフが各部屋を回り、利用者の状況を確認してもらえるほか、買い物代行や病院への付き添いにも対応してくれるため、一人暮らしよりも大きな安心感があります。 

一方で、サービス付き高齢者向け住宅は原則として介護サービスは提供していません。中には要介護状態になると退去が求められる場合もあるため、あくまでも自立して生活できる方が対象となります。

ニーズに合わせて訪問介護やデイサービスなどの介護サービスも用意している物件もありますので、それぞれの住宅に問い合わせて確認することが大切です。 

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