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【共倒れを予防】親の「施設入居」を決断するタイミング

親が元気なうちは、介護そのものや老人ホームなどの介護施設については頭の片隅にある程度で、深く考えることはありません。

しかし、介護が必要になり、自分でいろいろなことができなくなってくると、介護サービスや介護施設の利用は欠かせないものとなります。

特に、親と子が同居していない場合や、子が仕事や育児をしている方は、介護との両立が難しく、老人ホームへの入居は有力な選択肢となります

では、親に施設に入居してもらおうと決断するタイミングはどういった時でしょうか。

よく聞くのは・・

  • ひとりでトイレに行くのが困難になったとき
  • 火の始末をできなくなったとき
  • 食事をとらなくなったとき
  • 介護者までが倒れそうになったとき
  • 「要介護4」となったとき

と言われます。

このような状況に備えるためにも、前もってどういったタイミングで施設入所を検討したら良いのかを知っておくことは大事です。

目次

施設探しは「事前準備」が重要

老人ホームなどの介護施設について調べ始めるのは、本人が元気なうちや、心身の衰えの感じ始めなど、親の判断力があるうちに始めることが大事です

 本人が気に入る施設を探せる

老人ホームといっても、今はさまざまな形態の施設が存在します。

雰囲気や設備の状況、立地、サービスの内容など、それぞれの施設によって特徴が異なります

今後の生活の拠点となる場所なので、本人がそこで過ごしたいと思うような施設を見つけるのが一番です。

そのためには親本人が施設を回って見学し、それぞれの違いを感じ、気に入るところを見つけるというのはとても大切です。

 すぐに入居できるとは限らない 

居室の空き状況次第で、希望する介護施設にすぐ入れないこともあります。

サービスがしっかりとしていて、料金もリーズナブルなところというのは人気があります。

入居希望者が多いと、申し込みをしても空きが出るまでにかなり長い期間かかることもあるのです。

入居が必要な状況になった「いざという時」に入れないという事態にならないとも限りません。

入居の可能性があれば前もって申し込みをして、待機しておくことも1つの方法です。

 親の収入を把握しておく

施設に入る際には、入居一時金がかかる場合もありますし、当然、毎月の費用もかかります。

老人ホームに入居して生活するということにおいては、在宅生活よりもお金がかかると考えておきましょう。

長期間働いてきた方で、年金額がある程度多い方は良いかもしれませんが、実際問題として年金だけでは施設費用を賄えない方は多くいます

そのためにどうしたらお金の工面ができるか、考える時間が必要です。

>>お金の支払いが難しい時に利用したい制度

 年金で足りない分を「補てん」できるか 

年金で不足する施設費用は親の資産で賄うのか、家族が援助できるかを確認しておきましょう。

親族が援助するのであれば、誰がどのくらい出せるかということも、先も見据えて事前に話し合っておくこと必要です。

しっかりと話し合うためには時間がかかりますので、早めに検討を始めることはとても大事なのです。

>>資金計画|親の施設を探す前に本人の資産と収入を把握しておく

 家財や資産をどうするか 

介護施設に入る場合、今まで住んでいた家の処分についても考えなければいけません。

賃貸住宅に住んでいるのであれば、賃貸契約を解除するだけでも良いです。

しかし、持ち家の場合は、賃貸に回す、売却する、家族の誰かが住むといった複数の選択肢が出てきます。

その他、住んでいない家を賃貸にして施設費用に充てる方法も考えられます。

持ち家は大事な資産の一つですので、その処分方法を決めるにも慎重でなければなりません。

良い決定ができるように、早めに検討を重ねておくことが大事です。

元気なうちに入居するメリット・デメリット

先述したことをふまえ、少なくても施設探し自体は本人が元気なうちから準備を始めるべきです。

しかし、次に考えるべきなのは実際に施設に入るタイミングです。

これは、本人と家族で話し合って決めます。

元気なうちから入るメリット 

親本人が気に入った施設を選んでいますので、老人ホームの入居への心理的ハードルが低くなります

必要に迫られて急に入居した場合、「入れられた」と思う方や「介護・支援を受けることへの抵抗を感じる」という方は少なくありません。

こうした感情は本人にとって精神的負担となったり、施設生活や介護への拒否感にも繋がります。

その点、元気なうちから入れる施設で、ある程度自由な時間を過ごしながら施設に慣れていくことで、本格的に介護が必要になった時にも心の準備がしやすいでしょう。

元気なうちから入るデメリット 

一方で、費用の面では負担が大きくなります。

高齢者向けの住宅は、通常の賃貸と違い見守りの人員やシステムが導入されています。

家賃や共益費、食事代などに加え生活支援費やサポート費などのオプション費用が加算されますので、その分費用がかかります。

入居後10年以上生活する可能性もありますので、それだけの期間費用を支払い続けられるかを、事前に計算しておきましょう。

収入や貯蓄によっては、できるだけ在宅を継続し本当に必要な時に施設を利用する、という選択肢がベターなケースもあります。

元気な場合、入居条件を満たさないと入居は不可能

60歳以上であれば入居できる施設(要介護認定不要)

  • 介護付き有料老人ホーム
  • 住宅型有料老人ホーム
  • サービス付き高齢者向け住宅
  • 軽費老人ホーム・ケアハウス

施設によっては、「要介護1以上」など、一定以上の要介護状態でないと入居できない施設もあります

一般的に「自立」よりも、「要介護以上」の方が、選べる価格帯や施設の数など、選択肢の幅が広いです。

入りたいと思っている施設であっても、こうした条件を満たしていないと申し込み自体ができないこともあります。

ただし、最近では自立の方向けの施設に入居後、身体の状態変化にあわせて別の施設に住み替える方も多くなっています。

見守りや介護が必要になったら入居するメリット・デメリット

介護が必要になってから入居するメリット

  • 費用の負担が小さい
  • 選択肢の幅が広い
  • 自宅で長く過ごせる
  • 入所に対して前向き

費用の負担が小さく選択肢の幅が広い

介護が必要になってからの入居は費用の負担が小さく、選択肢の幅が広いことメリットとなります。また、自立から入るよりも施設で過ごす期間は短くなるのが一般的です。

その分、支払う施設の利用料のトータルの額は少なく、家族の援助を受けている場合には当然家族の負担額も少なくなります

自宅で長く過ごせる

慣れ親しんだ自宅に長く住みたいという多くの高齢者が抱く望みを叶えることもできます。

その分、本人や家族の負担は出てくるかもしれませんが、できるだけ自分の住み慣れた家で過ごしたいと思うことは自然な気持ちでもあります。

入所に対して前向き

元気なうちは「老人ホームに入る必要がない」と施設に対し後ろ向きだった方でも、身体機能が落ちたとこで介護の必要性を実感し、施設に前向きになるケースも多く見られます

以前は施設の話に聞く耳持たなかった方が、「老人ホームを見てみようかな」と話を切り出すことも珍しくありません。

介護が必要になってから入居するデメリット

  • 時間が限られている
  • 環境が急に変わることでのストレス
  • リスト

時間が限られている

本人が安心できる環境で準備に必要な期間を待てるという場合は良いものの、急激に機能が低下した場合や入院した場合には、急いで探さなければいけないケースもあります。

その際は当然、空き部屋のある施設の中から条件に合うところを探すことになります。

施設選びからその手続きや準備を一気に行うことになりますので、家族の負担も大きくなります

特に、家族が遠方に住んでいる場合は現地でできることが限られてしまいますので、双方に負担がかかってしまうことがあります。

環境が急に変わることでのストレス

本人にとって、身体機能が落ち気分的にも落ち込んでいる中で、環境が一気に変わるというストレスを感じる方もいます。

老人ホームへ入ることへの心の準備が整っておらず、当人にとっては心理的な負担となることも多いです。

在宅介護はほぼ無休

在宅介護は自分の時間が取れず、休む時間もなく1日中付きっきりになるケースがあります。

下記は要介護度別にみた、同居で主に介護する方の介護時間の状況です。

厚生労働省「2019 年国民生活基礎調査

要介護2では「必要なときに手をかす程度」が半数以上占めていますが、要介護3になると「ほとんど終日」と答えた方が32.5%と最も多くなっています。

要介護度5になると、半数以上が「ほとんど終日」介護にあたっています。

介護時間の実態から在宅介護は一日の多くの時間を費やしているのがわかります。

要支援から要介護になると認知症を患っている場合も出てくるため、常に危険がないか見守っている必要があり、目が離せなくなります。

介護に専念できる時間と介護に掛かりそうな時間を比較し、実際の生活をイメージしておくと良いでしょう

介護者が限界を感じたら

在宅介護を上手に続けていても、生活に変化があったり、体調を崩したりと、予期せずに限界がきてしまうことがあります。

限界がきてからでは対処できない部分が多くあります

限界がきてしまう前に在宅介護一択ではなく、施設入居も選択肢に入れておき、周辺の施設の情報収集や見学を行っておくのが良いでしょう。

施設介護を選択肢の一つとして考えられるようになることは、自分が介護しなきゃという精神的な負担が軽減できます

一方、これまで在宅介護ができていたのに、突然施設入居の話をすると、嫌がって拒否する方もいるでしょう。

そのような場合は、介護する方が疲弊してしまうと今まで通りしっかり介護ができなくなること、施設に入居するメリットを前向きに伝えて、決してネガティブな印象を与えないようにしましょう。

施設に入居するメリットは以下の通りです。

  • 介護士や看護師などプロから介護や適切なケアが受けられる
  • 人の目が常にあり、安心して過ごすことができる
  • 緊急時にも迅速な対応をしてもらえる
  • 他の入居者と交流したりイベントに参加したり日々の生活が刺激になる

いざという時に慌てて大変な思いをすることがないように、事前準備と良いコミュニケーションというのは必須です

家族みんなでこうした点を話し合って、より良い選択ができるようにしましょう。

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