介護は、ある日突然必要になります。
その際、親の貯蓄がなくて費用が捻出できない場合は、まず地域包括支援センターやケアマネジャーに相談をし、低額な介護施設への入居を検討しましょう。
また、国や自治体が提供している制度を活用することで、家計の負担を軽くできます。
社会福祉法人等による低所得者に対する利用者負担額軽減制度
介護保険制度では、介護保険の施設サービスを利用した場合、利用料としてサービス費用の1割のほか食費、居住費を負担することとなっていますが、社会福祉法人が運営する介護保険施設を利用する際には、その一部の助成を行っています。
- 特別養護老人ホーム(特養)
- 介護老人保健施設(老健)
- 介護療養型医療施設(療養病床)
いずれの施設も弱者救済の責務を背負っています。
介護保険の財源で運営している部分が大きく、月額費用も有料老人ホームなどと比べて安価に利用できます。
軽減の額
利用者負担の1/4(老齢福祉年金受給者は1/2)
軽減の対象となるサービス
利用者負担額の軽減を申し出た社会福祉法人・市町村が行う次のサービス。
(太字は介護予防サービスを含みます)
- 訪問介護(ホームヘルプサービス)
- 通所介護(デイ・サービス)
- 短期入所生活介護(特別養護老人ホームなどへのショートステイ)
- 定期巡回・随時対応型訪問介護看護
- 夜間対応型訪問介護
- 認知症対応型通所介護
- 小規模多機能型居宅介護
- 地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護
- 複合型サービス
- 介護老人福祉施設サービス
軽減の対象とならないサービス
- 訪問入浴
- 特定施設
- 看護小規模多機能型
- グループホーム
- 定期巡回
対象者の要件
この軽減制度の対象者の要件は次のとおりです。
市町村民税世帯非課税であって、次の要件を全て満たす方のうち、その方の収入や世帯状況、利用者負担等を総合的に考えて、生計が困難な者として市町村が認めた者
- 年間収入が単身世帯で150万円、世帯員が1人増えるごとに50万円を加算した額以下であること。
- 預貯金等の額が単身世帯で350万円、世帯員が1人増えるごとに100万円を加算した額以下であること。
- 日常生活に供する資産以外に活用できる資産がないこと。
- 負担能力のある親族等に扶養されていないこと。
- 介護保険料を滞納していないこと。
軽減の手続き
社会福祉法人とは?
社会福祉法人とは、社会福祉事業を行うことを目的として設立される民間企業です。
社会福祉事業としては
- 更生施設
- 支援施設
- 児童福祉施設(保育園)
- 高齢者福祉事業などさまざまです。
法人税上では公益法人等であるため、一部を除き非課税である優遇措置があります。
社会福祉法人 | 医療法人 | 株式会社 | |
---|---|---|---|
組織 | 非営利 | 非営利 | 営利 |
事業目的 | 福祉 | 医療 | 自由 |
運営 | 特養 老健 訪問介護など | 医療施設 有料老人ホーム 訪問介護など | 有料老人ホーム サ高住 グループホームなど |
特徴 | 特養を運営できる | 病院と連携している施設も | 多様な介護施設を運営 |
医療法人や株式会社と大きく違うのは、社会福祉法人は特別養護老人ホームを運営できる法人であるということ。
個別法により、介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)の経営主体は、社会福祉法人などに限定されています。
申請方法がわからない時
市区町村の役所にある福祉課に利用者負担額軽減制度について利用したい旨を伝えると詳しく教えてもらえます。