資料請求無料 老人ホーム・介護施設の検索なら【LIFULL介護】

高齢の親へ経済的支援を検討する時の注意点

年金暮らしの親の経済状況は、子どもとしても気になるところ。

高齢者施設の入居を考え始める時、心配になるのが入居の際に必要なまとまったお金や、月々の支払いのことではないでしょうか。

親の預貯金と収入だけでは支払いが難しそうだと「少しでもサポートしないと」という気になります。

親に経済的支援をする場合は、自身の生活設計も考えた上で無理のない範囲で行うのが重要です。

今回は高齢の親へ経済的支援を検討する時の注意点を挙げていきます。

目次

親を支援する「子」も年金生活になる

親の預貯金や年金が十分でないとき、子が不足分を支援しようとするケースがあります。

今は元気で働き十分な収入があるとしても、支援している「子」にも老後が迫っていることを忘れてはいません。

数年後には定年が来て年金生活が始まります。自分の預貯金や収入などをシミュレーションして、「ここまでなら支援できる」いうラインを考えましょう。

親が100歳を超えると多くの子は70代
  • 自身が介護される側になっていることも十分考えられます
  • もしかして親より先に亡くなっていることもあり得ます

無理な支援は次の世代に大きな負担を背負わせることになりかねません。

支援する場合は、自身の生活設計を練ったうえでできる範囲に抑えるのが重要です。施設に入った後にお金が払えなくなり、住み替えをするケースもありますので慎重さをもって取り組みましょう。

生活保護に頼ることも視野に

親の介護が相当大変で、共倒れになりそうな場合に「お金のことは後から何とかなる」と無計画に施設と契約してしまいたくなるかもしれません。

お金のことを簡単に「何とかなる」と考えるのは危険です。

すぐに入居を考えるのではなく、在宅のまま安いショートステイを連続30日利用するなど、介護の疲れから離れて冷静に考える時間をとりましょう。

親の経済状況に余裕がまったくない場合もあります。こんな時は生活保護の申請をすることも一案です。

施設の月額利用料を生活保護の「生活扶助」「住宅扶助」のほか「介護扶養」などでカバーできる可能性があります。すでに生活保護を受給している親であればケースワーカーに相談してみましょう。

生活保護で受けられる扶助
  • 生活扶助
    日々の暮らしにかかる食費、被服費、光熱費
  • 住宅扶助
    家賃、部屋代、地代、住宅維持費(修繕費)、更新料、引っ越し費用
  • 介護扶養
    介護サービスの費用を支払って現物給付される

実際に生活保護で高齢者施設に入居している人も珍しくありません。

生活保護受給者が入居している割合
出典:有料老人ホーム協会
介護付き有料老人ホーム
11.3%
住宅型有料老人ホーム
49.0%
サ高住
32.1%

全国有料老人ホーム協会の調査によると、最も料金相場が高い住宅型有料老人ホームでも、3割近い施設で生活保護用の料金体系を設定していました。

生活保護を受給していると選択肢は限られるもの、入居できる老人ホームは一定数あるのです。

死亡以外の施設からの退去理由

施設から退去する理由として「経済的な理由による負担継続困難」が上位にいるのを踏まえると、生活保護を利用するのはとても有効な案です。(出典:有料老人ホーム協会

介護付き有料老人ホーム
1: 医療的ケアニーズの高まり
2: 経済的な理由による負担
3: 身体状況の悪化
4: 自宅復帰
5: 家族と同居の開始
退去理由上位
住宅型有料老人ホーム
1: 医療的ケアニーズの高まり
2: 身体状況の悪化
3: 経済的な理由による負担
4: 認知症の悪化
5: 自宅復帰
退去理由上位
サ高住
1: 医療的ケアニーズの高まり
2: 身体状況の悪化
3: 認知症の悪化
4: 経済的な理由による負担
5: 集団生活が困難
退去理由上位

考えるときは100歳まで生きると想定する

施設に入居する費用を親の預貯金から支払うとした場合、どのように計算するのでしょうか。

例えば・・・
  • 親の年齢:80歳
  • 想定寿命:100歳
  • 親の預貯金:800万円
  • 入居費用:100万円

100歳まで生きるとした時に必要なお金の考え方

STEP
預貯金から入居費用を支払ったら残りの預貯金が700万円。

800万−100万=700万円

STEP
緊急時に必要になる予備費を200万円残しておきたいので、預貯金は500万円。

700万−200万=500万円

STEP
100歳まで生きるとすると1年で使えるお金は25万円

500万÷20年=25万円

STEP
月々に使えるお金は約2万円

25万÷12ヶ月≒2万円

さらに毎月の年金支給額を10万円だとすると・・・

使えるお金は10万+2万=12万円となります

予備費はいろいろな考え方がありますが、200万円ほど別口で確保しておくと安心です。

実家を売却して予備費を賄う場合

まとまったお金が必要になったけど、お金が足りない時に「どうしようもないから、使っていない実家を売る」選択肢もあります。

これも一案ですが実家の売却となると相続が絡むので、親の意向や兄弟との話し合いなど簡単に前に進まないことがあります。

不動産の名義が親になっていて、本人が認知症で判断力を失っていたら親が売買契約を行えません。

こういったケースでは、家庭裁判所に成年後見人選任の申し立てをして手続きをします。

こうしたことを考えると「急にお金が必要になった」から始めていては遅すぎです。

実家を売る話は、施設選びの段階で検討するべきです。

売るタイミングによっては納税額も違ってきます。空き家にしておいても固定資産税の支払いがあります。

実家を売った場合、何らかの事情で施設を退去することになったら親の行き場をどうするか、など慎重な判断が求められます。

余裕を持って正しい判断でをするためには、二歩でも三歩でも早め早めの準備が大切です。

まとめ
  • お金の支援する場合は、自身の生活設計を練ったうえでできる範囲に抑える
  • 親の経済状況に余裕がない場合は生活保護の申請も視野に入れる
  • 必要なお金を考えるときは100歳まで生きると想定する
  • 実家を売る話は、施設選びの段階で検討する
シェアしてね
目次